相続相談室 in 和歌山

相続って何?どうすればいいの?そんなお悩みにお答えします。 神山和幸行政書士事務所(和歌山県和歌山市)

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相続には、色々な疑問、問題点がつきものです。こちらではその代表的なものについて、ご紹介しましょう。

 

相続放棄の撤回

質問 『同居していた父が亡くなり、遺産分けをしなければならなくなりました。私には妹が一人いますが、遠方に嫁いだ後は滅多に帰ってきません。父の葬儀のため帰郷した際に遺産分けの話をしたところ、妹は「相続は放棄するから」と言って自宅に帰っていきました。私は「(妹は)遺産を一切相続しない」という意思だと考え、その旨の遺産分割協議書を作成し、署名捺印を頼んだところ、「すでに相続を放棄したんだから(署名捺印)しない」と言われてしまいました。このままだと父の遺産は宙に浮いたままです。他に相続人はいません。どうすればいいのでしょうか?』

妹さんが「相続を放棄する」と言ったことに対して、ご相談者が「遺産は要らない」のだと解釈し、すべての遺産を相談者自身が相続する旨の協議書を作成したところ、妹さんが署名捺印してくれないため、遺産分割ができないというご相談です。
 いまひとつ妹さんの本心がよくわからないのですが、このケースのポイントは、
①相続放棄は当事者の間で、口頭でできるのか?
②協力してくれない相続人を無視して遺産分割協議ができるのか?
 というところでしょう。
まず①「相続放棄は当事者の間で、口頭でできるのか?」についてです。まず「放棄」という意味が問題です。
俗に「相続放棄」という言葉のみがよく知られているため、「遺産は要らないから相続を放棄する」と他の相続人に伝えればすべて済むと勘違いしておられる方が多いようです。
民法で定められている「相続放棄」には条件があります。相続開始から3か月以内に、家庭裁判所において相続放棄することを申述(申し述べること)しなければなりません。なお相続放棄は一度手続をしてしまうともう相続人には戻れません。
 それに対して、遺産分割協議書の中で、他の相続人が遺産を相続する旨を記載することにより「反射的に」相続を事実上放棄したことにはなりますが、相続を放棄しようとする相続人も含めて署名捺印が必要です(なお、この場合「遺留分」が発生します。遺留分についてはまたの機会があればお話しします)。
 今回のご相談の場合、妹さんが遺産分割協議書に署名捺印するか、あるいは相続放棄には家庭裁判所で申述するようお願いするか、どちらかの方法によらなければ解決できません。
 次に②「協力してくれない相続人を無視して遺産分割協議ができるのか?」ですが、結論としてはできません。ただし、協議に協力してくれない相続人がいる場合の法的手段として「家事(遺産分割)調停」を申し立てる方法があります。調停の申立はご相談者自身でももちろん可能ですが、ご自身では不安な方は弁護士に一度ご相談されるといいでしょう。
 それにしても、そもそもなぜご相談者の妹さんは相続放棄すると言っていながら署名捺印してくれないのでしょうか?もしかすると、ご相談者と妹さんの話し合いが不足しているため、本心が聞けていないまま早合点しているのかもしれません。今一度よく話し合い、当事者同士で円満な遺産分割ができないかどうか、よくご検討いただきたいと思います。

◎遺骨・香典・位牌・墓地の帰属

Q.私の父が亡くなり、私が喪主として葬式一切を取り仕切りました。香典は葬式代の支払いに全額充てています。しかし、疎遠だった私の弟が、私とは別に墓を建てるから、遺骨と香典を折半するように要求してきました。どうすればいいでしょうか?

A.位牌・墓地のほか、系図、仏壇などは「祭祀財産」と呼ばれています。

 祭祀財産の所有権は一般的に相続の対象とはならず、いわゆる「祭祀承継者」と呼ばれる、「慣習に従って祖先の祭祀を承継すべき者」が承継すると定められています。

 ただし、被相続人が遺言等で祭祀承継者を指定している場合にはそれに従い、慣習などが不明の場合は家庭裁判所が決定します。

 では、遺骨等はどうでしょうか。

 遺骨や遺骸については所有権そのものが観念できるかについては定かではありません。しかし、裁判例では、祭祀承継者に帰属するとされています。ただし、分葬のため遺骨の一部を分骨して、他の相続人に分け与えるということは比較的取られている方法です。

 最後に香典です。 

 香典は、慣習上、被相続人の死後に喪主あるいは遺族への贈与として交付される金員です。従いまして、香典は相続財産ではありません

 香典は通常葬儀費用にまず充てられ、残余は次の祭祀費用に充てたり、墓地等の建造費用に充てたりされるものですので、他の相続人に分与する義務はないと考えられます。ご質問の方の場合、香典はその全額が葬儀費用に充てられたのですから、この上さらにご親族に分与する必要はないと思われますが、遺骨の分骨については応じてもよいのではないかと考えられます。



 
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神山和幸行政書士事務所(073-460-5478)
和歌山県和歌山市
相続・遺言・成年後見

相続と一口に言っても、手続とその窓口はそれぞれ異なります。
必要なものは大きく分けて、「誰が相続する人かがわかる書類」「誰が何(その遺産)を相続するのかがわかる書類」の2種類の書類と、手続固有の書類の3種類があります。

①誰が相続する人かがわかる書類
 相続される人(被相続人)と相続する人(相続人)の関係がわかる書類として、「戸籍」謄本があります。
 戸籍謄本には、現在の戸籍謄本に加えて、「(改正前の)原戸籍」「除籍謄本」というもの(以上合わせて「戸籍謄本等」と呼びます)も必要となります。
 戸籍謄本等は被相続人の生まれた時から亡くなるまでのすべての記載分が必要です。
 また、相続する人の現住所が証明できる住民票なども必要です。
(必要な書類)
 ・戸籍謄本等 ・住民票 ※手続によって、「被相続人の住民票除票」「戸籍の附票」といった書類も必要。

 上記の書類は市町村の役所で取得します。

②誰が何を相続するのかがわかる書類
 どのような手続でも、財産の権利が相続人に移るのですから、それがわかる書類がないといけません。
 以下のような書類が必要です。
(必要な書類)
 ・遺産分割協議書・・・「相続人が話し合って遺産の分け方を決めました」ということを証する書類です。この書類には相続人全員の実印が押印され、なおかつ印鑑証明書が必要です。
 ・遺言・・・被相続人の遺言通りに遺産を分けるのであれば、改めて相続人による話し合いは必要ありません。
 ・相続証明書・・・例えば一筆の土地の遺産分割でなおかつ大勢の相続人がいる場合には、一人一人に署名捺印したものを遺産分割協議書の代わりに用いることがあります。これを相続証明書などと呼びます。

③手続固有の書類
 例えば登記であれば登記申請書など、それぞれ手続で書かなければならない書類があります。また、例えば登記の際には登録免許税を収める必要があるので、その税額を決めるために「固定資産税評価証明書」が必要となるように、遺産の内容によっては他に取り寄せたり準備する書類が異なります。


法では、ご家族が亡くなられると同時に、「相続」が開始されると定められています。
では、相続が開始されて、遺産の分割手続がすべて終わるまで、どのような手順を踏むことになるでしょうか?

◎遺産分割の流れ
①相続人の調査・確定 亡くなられたご親族(被相続人)の相続財産(遺産)を確定する前にすべきことは相続人が誰であるかを調べ、確定させなければなりません。金融機関(預貯金、証券など)、法務局(土地や建物)などに手続をするには、相続人全員の同意が必要です。一人でも相続人となるべき人に漏れがあると、手続はできません。法律で定められた相続人が誰であるかを確定するために、戸籍関係の公的書類(戸籍謄本等)を取り寄せます。

②相続財産の確定 相続財産すべてを調べます。もし手続きがすべて完了した後に、未確定の相続財産が見つかった場合、また遺産分割の手続をやり直さなければならないことがあります。
 具体的には、預貯金、証券、自動車、土地・建物など、被相続人の財産をできる限りすべて調べ、全相続財産を確定します。

③遺産分割協議 相続財産の分割には、民法という法律に定められた割合で財産を分ける方法、そして話し合いにより決定した割合で財産を分ける方法があります。いずれにせよ、遺産を分ける割合や方法を決めて、それを文書(遺産分割協議書など)にします。

④相続財産の引き継ぎ手続 ③で作成した文書をもとに、遺産の承継手続を行います。
 ・金融機関等⇒預貯金、投資信託、証券、保険関係
 ・法務局 ⇒土地、建物
 ・運輸局 ⇒自動車          ・・・など

⑤相続税の申告 相続税の申告が必要な場合には、相続開始後10か月以内に相続税の申告を行います。


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