1.相続財産を特定する。
公正証書遺言以外の、自筆証書遺言や秘密証書遺言については、専門家に指導を仰ぐ場合は別として、遺言される方ご自身で記載することになるため、その内容の正確さに問題が生じる場合があります。
A.預貯金の場合 よい例:○○信用金庫××支店 口座番号 987654321
 悪い例:○○信用金庫の預金


 このように口座番号まで特定していない場合、○○信用金庫の他の口座があった場合、不明確なので、具体的な特定が大切となります。 

B.不動産の場合  よい例:
               所在 和歌山県和歌山市○○町
               地番 1番1
               地目 宅地 
              地積 100.00m 
  
   悪い例:和歌山市○○町の土地

 不動産の場合、具体的な特定をしていないと、他の土地と区別がつかず、また不動産登記の際に問題となります。
他の財産と明確に区別していなかった場合、直ちに遺言が無効となるわけではありませんが、その場合遺言者の意思の解釈について相続人間の争いが起こる可能性もありますので、そのような争いの余地の出ないように、明確に相続財産の範囲を記載するべきです。

 
2.推定相続人への遺言には「相続させる」と記載する。
 相続人に対しては必ず、財産を「相続させる」と書きましょう。また、第三者に対しては財産をあげる場合は、「遺贈する」と記載します。もし、相続人に対して財産を「遺贈する」と表現すると、不動産の移転登記手続きにおいて、他の相続人と共同で申請しなければならなくなりますが、「相続させる」と記載すると、遺言で指定された相続人が単独で申請できます。
また、農地の取得や借地権・借家権の相続で「相続させる」と記載すると、そのまま手続できますが、農地の取得の場合で「遺贈する」と記載した場合は知事などの許可が必要で、遺産が借地権・借家権の場合は貸主(地主・家主)の承諾が必要ですから、財産をあげる場合は必ず「相続させる」と、記載しましょう。


3.遺留分を考慮した遺言を作成する。
※遺留分については右横のコラムをご参照ください。
 
 相続人によって配分を決めると、自分の取り分が少ない相続人の中に遺留分を申し立てる者が出てくる可能性があります。この場合、そういった相続人に配慮して、あらかじめ遺留分相当の現金を相続させる遺言書を作成すれば良いでしょう。また、遺言書に、なぜその相続人にそのような配分をしたかの理由を「付言事項」として書いておけば、当該相続人も理解できます では、事情によってどうしても遺留分を侵害してしまうような遺言を作成したいと考えている場合はどうすればいいのでしょうか?  その場合は家庭裁判所の許可を得て遺留分をあらかじめ放棄してもらうように家族間で話し合いをするべきでしょう。
 また、事業承継目的の場合には民法の特例法もあります

 ※事業承継につきましては、こちらの記事をご覧ください。

4.付言事項の活用
 遺言者が、遺言をするに至った理由・動機・心情・を遺言書に書いても法的根拠はありません。
しかし、これらは「付言事項」といって、相続に関係する人を納得させる為に大きな意味があります。 ある一定の相続人や相続人以外の人物に遺贈させる場合は「付言事項」を入れることで、なぜそのような配分にしたか、良い・悪いは別として一定の理解は得ることができますので、そのような配分を考えている場合は「付言事項」を敢えて入れた方が良いでしょう。

5.遺言の封の仕方
 自筆証書遺言の場合、封入・封印をしていなくてもただちに無効ではありません。
 しかし、封をしていないと、変造されてしまう恐れがあり、いざ相続となったときに相続人間でもめ事が起こってしまう原因になりかねませんので、できれば封筒に入れて封をし、押印に用いた実印で封印をしましょう。
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 表書には遺言書と記載し、裏書に作成日と署名・押印をします。なお、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができません。仮に開封してしまっても、そのことにより遺言が無効になるわけではありませんが、相続人うっかり開封しないように、「開封せずに家庭裁判所で検認を受けること」と書いておきましょう。  
 なお、封印や封筒裏書の押印をするときは、遺言書の署名の下に押した同じ印鑑を使用してください。 

神山和幸行政書士事務所(073-460-5478)
和歌山県和歌山市
相続・遺言・成年後見